近年、AI技術の進化は著しく、創作の世界にも大きな変革をもたらしています。中でも「Midjourney」は、テキストから高品質なビジュアルを生成できる革新的なAIツールとして注目を集めており、プロのクリエイターから一般ユーザーまで、多くの人がこのツールを活用し、想像力をかたちにしています。本記事では、Midjourneyの基本的な使い方から、その魅力、活用事例、そして他の画像生成AIとの違いについて詳しく解説します。これからAIアートに触れてみたい方にも、既に使い始めている方にも役立つ内容をお届けします。
画像生成AI「Midjourney」とは?使い方のコツや特徴・料金を徹底紹介!
著者: 仲山 隼人 (Hayato Nakayama) 25/04/21 6:45
▶Midjourneyとは
▶Midjourneyの特徴
Discord上で利用する
多くのAIツールはブラウザベースのWebアプリや専用アプリで提供されていますが、MidjourneyはDiscordというチャットアプリを利用してサービスを提供しています。利用者はまず、Midjourneyの公式Discordサーバーに参加する必要があります。その後、指定されたコマンドを使って入力することで画像を生成します(後ほど詳しく説明)。
この仕組みは一見少し複雑に感じられるかもしれませんが、実際にはとても直感的です。プロンプトを入力して待つと、数十秒で4つの画像候補が生成され、それを元に「アップスケール(高解像度化)」や「バリエーション生成」などの操作もコマンドボタンで簡単に行えます。
Discordベースの運用には、他ユーザーとの交流が生まれやすいという利点もあります。指定のチャンネルでは多くのユーザーが同時にプロンプトを入力して画像を生成しています。そのため、チャンネル内を眺めているだけで、他の人がどんなプロンプトを使い、どんな画像を生成しているかが自然と目に入ってくるのです。
ただし、プライバシーや著作権の観点から「自分の生成物を他人に見られたくない」という場合もあるかもしれません。そのようなニーズに対応するために、Midjourneyでは「ステルスモード(Stealth Mode)」を利用することができます。ただしこれは、上位の有料プランに加入しているユーザーのみが利用できる機能です。
Midjourneyがクリエイティブなコミュニティの場としても機能しているのは、このDiscordというプラットフォームを活用しているからこそです。
完全有料制
Midjourneyは、2023年3月28日をもって無料トライアルの提供を停止し、現在は有料プランのみで利用可能となっています。この決定は、急激なユーザー増加と無料トライアルの不正利用が主な原因とされています。特に、使い捨てのアカウントを大量に作成して無料画像を取得する行為が横行し、サービスの負荷が増大したからです 。
料金プランは複数あり、個人ユーザー向けから商用利用を想定したものまで幅広く用意されています。最も安価なプランでは、月額10ドル前後で一定数の生成回数が含まれており、画像生成の練習や個人使用には十分なボリュームです。一方、商用利用を前提とする場合や、生成回数を気にせず使いたい場合には、より高価格のプラン(月額30ドル〜60ドル以上)が推奨されます。
有料であるがゆえに、利用者のモチベーションが高く、生成される作品のクオリティも全体的に非常に高い傾向にあります。また、開発チームが収益を通じてサービスの品質向上や新機能の追加に力を入れられるため、結果的にユーザー体験が良好に保たれているのも特徴のひとつです。無料サービスでは得られないプレミアムな創作環境を提供しているのがMidjourneyの魅力です。
▶Midjourneyの料金体系
Midjourneyは、現在4つの有料プランを提供しており、各プランは利用目的やニーズに応じて異なる機能と価格設定がされています。以下に、各プランの詳細を表形式でまとめました。
表に記載されている3つの機能について説明させていただきます。
Fast GPU
Midjourneyが画像生成に対して、優先的に高速なGPUリソースを割り当てる機能のことです。有料プランのコア機能で、生成が最もスピーディに行われるモードです。利用中は画像生成が数十秒〜1分以内で完了するため、ストレスなく制作が可能です。
Relax GPU
Relax GPU Timeは、待ち時間が発生する代わりに、生成回数の制限なく画像を作れる機能です(Standardプラン以上で利用可能)。Fastモードのような優先処理はされないため、生成に数分〜10分程度の待機が発生する場合もあります。GPU使用の「回数制限なし」なので、生成量を気にせずトライ&エラーを繰り返せるのが大きな魅力です。
ステルスモード
ステルスモードは、画像生成を非公開で行えるモードです(Proプラン以上で利用可能)。通常、Midjourneyで生成した画像やプロンプトは、Discordサーバー内で他のユーザーにも表示されます。しかしステルスモードをONにすると、自分のプロンプトや生成画像が他の人に見られなくなり、完全なプライベート環境で作業できます。商用案件や著作権配慮が必要なプロジェクト、あるいは開発中の秘密コンセプトの制作などに有用です。
各プランは、利用目的や必要な機能に応じて選択することが重要です。例えば、個人での利用や試験的な利用にはBasicプランが適しており、商用利用や大規模なプロジェクトにはProプランやMegaプランが適しています。また、年額プランを選択することで、月額料金が割引されるため、長期的な利用を考えている場合は年額プランの検討をおすすめします。
▶Midjourneyの始め方
1.Discordアカウントを作成する
まずはDiscordアカウントを作成しましょう。
-
Discord公式サイトにアクセス
-
「登録」からアカウントを作成(メールアドレスとパスワードを登録)
-
登録したメールアドレスに届く認証メールを確認・承認
2.Midjourney公式Discordに参加
- Midjourney公式サイトにアクセス
- トップページ右上の「Join the Beta」をクリック
- Discordアプリまたはブラウザが起動し、「Midjourney公式Discordサーバー」へ参加可能
3.有料プランに加入
- 左メニューの「NEWCOMER ROOMS」の項目から自由にチャットルームを選択する
- 画面下部のチャット欄に「/subscribe」と入力
- 「Manage Account」をクリック
- プラン選択画面から登録したいプランを選択
- 支払い情報を入力して完了
4.画像生成
- 画面下部のチャット欄に「/imagine」と入力して「/imagine prompt」を選択する
- promptの後ろの部分に入力ができるので、生成したい画像を英文や英単語で入力する
- 数十秒〜1分で画像が生成され、4枚のバリエーションが表示される
▶画像の精度を上げるコツ
解像度と品質を上げるパラメータの使用
Midjourneyにはプロンプトに付け加える「パラメータ」があり、画像の品質や詳細さを調整できます。
不要な要素を排除する|noパラメータ
画像内に入ってほしくない要素を事前にプロンプトで指定することで、より自分が求めたものに近い画像が生成されます。
(プロンプト例)
/imagine prompt=a robot chef in a futuristic kitchen --no humans
アップスケールとバリエーション
Midjourneyは、画像を生成した後に「さらにクオリティを高めたり」「似た構図の画像を再生成したり」するための機能を提供しています。それが、アップスケール(Uボタン)とバリエーション(Vボタン)です。
アップスケール
アップスケールは選んだ画像をより高解像度にし、細部を鮮明に仕上げる機能です。使い方の手順は以下の通りです。
-
画像を生成すると、4つのサムネイル画像が表示されます。
-
各画像には「U1〜U4」のボタンがついています(左上から右下へ順に対応)。
-
気に入った画像のUボタン(例:U2)をクリックすると、その画像が高解像度に変換されて再生成されます。
「一度生成した画像は雰囲気はいいけど、少しぼんやりしている」と感じたときは、アップスケールするだけで一気に完成度が上がります。
バリエーション
バリエーションとは、選んだ画像をもとに構図・色・要素をやや変化させた画像群を再生成する機能です。
使い方は、アップスケールと同様に「U1~U4」のボタンがあるので気に入った画像のボタンをクリックすると新たに四枚の画像が生成されます。
バリエーションで最適な構図や表現を見つけたのちにアップスケールで完成度を高めるなどの方法が考えられますね。
パワーワード
Midjourneyではプロンプトに「パワーワード」を組み込むことが効果的です。これらのキーワードは、AIが特定の画風や雰囲気を理解しやすくし、より望ましい画像生成を促します。以下に、目的別に代表的なパワーワードを分類してご紹介します。
1.高精細・リアルな描写を目指すパワーワード
リアリズムや高解像度の表現を強調したい場合に有効なキーワードです。これらをプロンプトに追加することで、より詳細で現実的な画像が生成されます。
-
photorealistic
-
realistic
-
photorealism
-
Unreal Engine
-
Octane Render
-
8k
、16k
、4k
-
cinematic
-
実在のカメラ名(例:
Canon EOS R5
,Nikon D850
)
これらのキーワードは、AIが高品質なビジュアルを生成する際に参考とするデータセットに多く含まれているため、効果的です。
2.アートスタイルやコンセプトアート風のパワーワード
特定のアーティストのスタイルやアートコミュニティで人気のある表現を模倣したい場合に適しています。
-
artgerm
-
trending on ArtStation
-
art print
-
character concept
これらのキーワードを使用することで、コンセプトアートやデジタルイラストのようなスタイルを再現できます。
3.アニメ・萌え系・可愛い系のパワーワード
日本のアニメや可愛らしいイラスト風の表現を目指す場合に有効です。
-
anime
-
kawaii
-
Pixiv
-
cute
これらのキーワードは、ポップで明るい色使いやデフォルメされたキャラクター表現を促進します。
4.構図・視点・ライティングに関するパワーワード
画像の構図や視点、光の表現を細かく指定したい場合に有効です。
-
構図:
portrait
(肖像)、full body
(全身)、close-up
(クローズアップ) -
視点:
overhead view
(俯瞰)、low angle
(ローアングル) -
ライティング:
soft lighting
(柔らかい光)、dramatic lighting
(ドラマチックな光)、backlight
(逆光)
これらのキーワードを使用することで、より具体的なビジュアル表現が可能になります。
パワーワードを効果的に活用することで、Midjourneyでの画像生成の幅が広がり、より理想的なビジュアルを得ることができます。
▶まとめ
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